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リーヒ・スミス米国発明法(Leahy-Smith America Invents Act (AIA))に伴う特許許可後の 雑則に関する最終施行規則に関して

 2012年8月6日に、リーヒ・スミス米国発明法(Leahy-Smith America Invents Act)に伴う特許許可後の雑則に関する最終施行規則が発行されました。

 最終規則では、登録特許に対して提供可能な提出物の範囲を拡大し、連邦裁判所あるいは米国特許商標庁(USPTO)の手続きにおいて特許権者が提出した特許クレームの範囲に関する書面を、何人も登録特許に対して提出できる旨を定めています。また最終規則では、このような情報が、査定系再審査(ex parte reexamination)、当事者系異議申立手続(inter partes review)、特許付与後異議申立手続(post-grant review)において、どのように考慮され得るのかを規定しています。更に最終規則では、当事者系異議申立手続または特許付与後異議申立手続における最終審決の後において、禁反言の法理により再審査請求できないはずの者が再審査を請求することを禁じています。

 本最終施行規則は、2012年9月16日に施行されます。

登録特許に対する情報提出

 35 U.S.C. 301は、登録特許に対する情報提出を規定しています。35 U.S.C. 302は、この301条により提出された従来技術文献に基づいて査定系の再審査を請求できることを規定しています。
改正法の35 U.S.C. 301(a)(2)によれば、特許権者が連邦裁判所あるいはUSPTOにおいて提出した特許クレームの範囲に関する特許権者の見解を示す書面を、何人もUSPTOに対して提出することができます。35 U.S.C. 301(a)(2)の実施細則であるSection 1.501は、今回の最終規則において、以下のように改正されています。
1.501(a)(1)では、特許クレームの特許性に関係があると考えられる先行特許あるいは印刷された刊行物を提出できることが規定されています。
 1.501(a)(2)では、特許権者が連邦裁判所あるいはUSPTOに提出した、特許クレームの範囲について特許権者の見解を示した書面を、何人もUSPTOに提出できることが規定されています。尚、施行規則案に対するパブリックコメントに鑑み、最終規則での提出可能な書類の範囲は、施行規則案よりも広いものとなっています。最終規則では、提出書面における特許権者の陳述が「連邦裁判所あるいはUSPTO以外の手続きにおいてなされ、後日、連邦裁判所あるいはUSPTOの手続きに含めるよう提出された」ものであることを禁止していません。当該書面の陳述が、たとえ元々は連邦裁判所あるいはUSPTOにおける手続きとは無関係になされたものであっても、特許権者により連邦裁判所あるいはUSPTOにおける手続きにおいて提出されたものであれば、1.501(a)(2)に従ってそのような書面を提出可能です。また1.501(a)(2)では更に、USPTOへ提出する当該書面とともに、当該手続きにおいて当該書面に言及しているその他の文書、訴答、証拠も提出することが要求されています。
 1.501(a)(3)では、特許権者による特許クレームに関する見解を示した書面をUSPTOに提出する際に、大略以下の要件を規定しています。
 (1)特許権者が各陳述を提出した裁判所・手続きの特定と、当該陳述を含む具体的な文書および文書の該当箇所を特定。
 (2)各陳述について、特許クレームの範囲について特許権者がどのように見解を示しているかに関する説明。
 (3)少なくとも1つの特許クレームに関する陳述の妥当性および陳述がどのように適用されるのかについての説明。
 1.501(e)では、特許権者以外によって上記書面が提出される場合、提出書類のコピーを特許権者に送達したことの証明が必要であることを規定しています。

提出された書面の再審査での扱い

 改定されたSection 1.515には、「再審査請求の判断をする際に、Sec. 1.501(a)(2)に基づき提出された書面および添付書類は、審査官に考慮されない」との記載が有ります。従いまして、USPTOが査定系再審査を開始決定するか否かを判断する際には、特許権者による特許クレームの範囲についての見解を示した書面は、考慮されません。即ち、Sec. 1.515(a)に基づき、査定系再審査の開始を決定するか否かを判断する際、USPTOは、クレームについて、特許明細書の開示内容に一致する、最も広い合理的な解釈をします。一旦再審査が開始されたならば、再審査の対象となっている特許クレームの範囲について判断をする際には、35 U.S.C. 301(a)(2)に基づき提出された特許権者による特許クレームの範囲についての見解を示す書面は、最大限可能な限り考慮されます。

禁反言(estoppel)

 改正法の35 U.S.C. 315(e)(1)及び35 U.S.C. 325(e)(1)は、当事者系異議申立手続または特許付与後異議申立手続を請求した者が、これらの手続における最終審決の後に、当事者系再審査を請求することを禁じています。この禁反言の法理の実施細則として、今回の最終規則には、以下の規定が設けられています。
 Section 1.510(b)(6)では、当事者系異議申立手続及び特許付与後異議申立手続の法廷禁反言規定により査定系再審査を請求することを禁止されてはいない、ということを証明する書面を、査定系再審査の請求に含めることを要求しています。
 尚、最終規則では、査定系再審査の請求人が、請求をする際に自らを特定することを要求していません。匿名で再審査請求をしたい場合には、実際の請求人の代わりに再審査請求を提出する代理人が、当該請求人は禁反言規定により請求できない者ではない旨を宣言することになります。また請求人本人が再審査請求をする場合には、上記規定の証明書に署名することになるので、匿名に留まることはできません。

本件記載のFederal Register は以下のサイトから入手可能です。

以上

本欄の担当
副所長弁理士 吉田 千秋
米国オフィスIPUSA PLLC パテントエージェント 有馬 佑輔
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