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工業デザインの国際登録に関するハーグ条約の実施に基づく米国意匠出願規則改正に関して

 2015年2月13日に日米両国は工業デザインの国際登録に関するハーグ条約のジュネーブ協定への加入書を世界知的所有権機関(WIPO)に寄託しました。
 ハーグ条約により、WIPOに対して一つの国際意匠出願を提出することにより、意匠について複数国への一括出願を可能となります。国際意匠出願は直接WIPO或いは、出願人の自国官庁経由でWIPOに提出することができます。
 2015年5月13日付けで、Patent Law Treaties Implementation Act(特許法協定実施法)の第一章に記載されている米国特許法の改正が施行され、この結果、米国特許法もハーグ条約と足並みを揃えることになります。
 2015年4月2日付けで、米国特許商標庁が上記ハーグ条約の実施に基づく最終規則を発表しましたのでご報告申し上げます。これらの最終規則は2015年5月13日から施行されます。

 既に日本特許庁は今般の国際意匠出願に関する手続きを発表していますが、本サマリでは米国での規則改正の留意点を以下に纏めました:

1..米国特許法第154条(d)が改正され、米国を指定する、国際公表された国際意匠出願に対して、仮の権利が与えられる。また、米国特許法390条が新たに加えられ、米国を指定する国際意匠出願のハーグ協定に基づく国際公表は米国特許法122条(b)の下の出願公開として見做される。
2.米国特許法第173条が改正され、米国における意匠の保護期間は登録から14年から15年となる。
3.米国特許法第385条が新たに加えられ、米国を指定国とする国際意匠出願は、特許法384条の出願日(ハーグ条約に基づく国際機関の定めた国際登録日)から、意匠に係る米国法規集16章に基づく、米国特許出願としてのあらゆる目的に関する効果を持つ。しかし、米国を指定国とする国際意匠出願であって、クレームを含まない出願に関しては、国際機関によって国際登録されないため、米国においても出願日を得ることができない。
4.米国特許法第386条が新たに加えられ、以下の優先権が与えられる:

a.米国出願は、米国以外の少なくとも一つの国を指定する先の国際意匠出願に基づく優先権が与えられる;
b.米国を指定する国際意匠出願は、i) 先の外国出願、ii) 米国以外の少なくとも一つの国を指定する、特許協力条約(PCT)に基づく先の国際出願、或いはiii) 米国以外に少なくとも一つの国を指定する先の国際意匠出願、を基にした優先権が与えられる;
c.米国を指定する国際意匠出願は、i) 先の米国出願、ii) 米国以外の少なくとも一つの国を指定する、PCTに基づく先の国際出願、或いはiii) 米国を指定する先の国際意匠出願、を基にした優先権が与えられる。また、米国出願は、先の米国を指定する国際意匠出願の出願日の利益が与えられる。

5.新しい規則1.1021(d)に基づき、米国を指定国とする国際意匠出願の場合は、従前の規則1.1021(a)に定められる要件に加えて、a)クレーム、b)発明者の特定、c)発明者の宣誓或いは宣言書が要求される。尚、米国を指定する国際意匠出願は従前の通り規則1.56に基づく情報開示義務の対象となる。
6.規則1.55は改正され、米国を指定国とする国際意匠出願の優先審査が設けられた。尚、規則1.155(a)(1)に基づき、優先審査を受けるには、ハーグ協定10(3)条に基づき、国際意匠出願が公開される必要がある。

本件記載の最終規則は以下のサイトから入手可能です。

以上

本欄の担当
副所長 弁理士 吉田 千秋
米国オフィスIPUSA PLLC 米国特許弁護士 Herman Paris
同 米国パテントエージェント 有馬 佑輔

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