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韓国特許法等の一部改正案の国会通過

韓国特許法等の一部改正案が2020924日に韓国国会を通過したことにつきまして、ご案内申し上げます。

 

1.改正の内容

(1)「懲罰的損害賠償」制度の意匠・商標への拡大等

 韓国では、昨年の7月より、故意による、特許権に対する侵害行為、及び営業秘密保護への違反行為に対し、従来の規定により算定される金額の最大3倍まで損害賠償責任を負わせることができるようになっていました。

 今回、韓国国会を通過した意匠法・商標法・不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律の改正案によりますと、意匠権・商標権に対する侵害行為、及びアイデア奪取行為に対しても、同様のことが可能となります。

 また、現行の特許法と同様に、改正の意匠法・商標法においても、損害額を算定する規定のうち、「実施に対し通常受けられる金銭の額」が「実施に対し合理的に受けられる金銭の額」に変更されました。

 加えて、改正の商標法では、法定損害賠償の請求において、裁判所が弁論の全趣旨や証拠調査の結果に基づいて認める損害額(法定損害賠償額)の上限が、5,000万ウォンから10,000万ウォン(故意による侵害の場合は、30,000万ウォン)に引き上げられました。

 

(2)特許権侵害における親告罪要件の廃止

 今回、韓国国会を通過した特許法の改正案によりますと、侵害罪を問うために求められてきた特許権者等の告訴に関する要件が削除されることにより、起訴を望まないという特許権者らの意思が明確に示されていない限り、特許権者等の告訴がなくとも、特許の侵害者に対し侵害罪にて処罰することが可能となります。

 本改正は、法令により告訴期間が6ヵ月と限られているため、現行の侵害罪の要件では、刑事的な処罰を与えることによる、侵害行為の抑制が上手く機能しないという問題意識から改正されたものです。

 

2.コメント

 今回の韓国の法改正は、現在適用されている特許だけでなく、意匠や商標に対する侵害行為、更には、アイデアの奪取行為に対しても、損害の算定額の最大3倍まで責任を負わせることが可能となり、今年1210日より施行される損害賠償額算定方法の見直しとともに、権利者への保護が更に強化されたものと言えます。

 

 また、特許の親告罪要件の廃止につきましては、昨年の3月より特許等にまで拡大して施行されている、韓国特許庁の特別司法警察の捜査・取り締まりの強化と相まって、例えば、特別司法警察の取り締まりが侵害者への起訴までスムーズに結びつくことにより、特許侵害の抑制に貢献できる効果が期待されます。

 

3.その他

 今回、改正法律の適用時期に関しましては、i)特許法、意匠法、及び商標法は、来月頃と見込まれる公布日以降に犯された侵害行為に対して、ii)不正競争防止及び営業秘密保護に関する法律は、公布日より6ヵ月となる日(20214月中の見込み)以降に犯された違反行為に対して、それぞれ適用されます。

 

 なお、上記の韓国語での情報は、

http://likms.assembly.go.kr/bill/billDetail.do?billId=PRC_H2Z0T0J7N0M6H1E4C1B6U4J7R4O6E8

http://likms.assembly.go.kr/bill/billDetail.do?billId=PRC_M2G0J0J7O0F3D1K6G2M1J2Q2R3T3A6

http://likms.assembly.go.kr/bill/billDetail.do?billId=PRC_A2M0O0R7O0M3D1C6D1V8U0T7R5I6V4

及び

http://likms.assembly.go.kr/bill/billDetail.do?billId=PRC_P2L0E0I9I1Q5E1C7B5I8J1T5X9J5L4

 

から入手することができます。

 

から入手することができます。

 

本欄の担当 

       所長 弁理士 伊東 忠重

       副所長 弁理士 吉田 千秋

       韓国弁理士 柳光煕(ユ・ガンヒ)

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