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【伊東国際特許事務所】 台湾の改正意匠審査基準(2020年11月1日施行)について
台湾において、2020年11月1日より、改正意匠審査基準が施行されますので、お知らせ申し上げます。
今回の主な改正点は、以下のとおりです。
1.図面の省略要件の緩和
現行の審査基準では、原則として、意匠の全体を開示するための図面を全て含まなければならず、例外として、左右や上下が同一・対称である図面や一般消費者が注意を払わない部分の図面については省略できます。また、図面を省略する場合は、願書にその旨記載する必要があります。
改正審査基準では、2019年5月に施行された日本の改正意匠審査基準と同様に、原則として、開示されていない図面は、意匠登録を受けようとしない部分とみなされます。したがって、意匠登録を受けようとしない部分の図面については省略することができ、願書にその旨記載する必要もありません。
2.意匠の分割要件の緩和
改正審査基準では、一意匠と認められる全体意匠の一部を部分意匠として分割出願することが認められます。
3.建築物の外観及び内装を保護対象とすることを明記
実務上、建築物の外観や内装の出願は可能であり、実際に登録例も存在するものの、現行の審査基準では、建築物の外観や内装が意匠権の保護対象となるかどうかについて明確に規定されていません。
改正審査基準では、2020年4月施行された日本の改正意匠法(以下、日本意匠法と言います。)と同様に、意匠の保護対象は建築物の外観、内装などの不動産意匠を含むことが明確に規定されました。
4.画像の意匠の保護拡充
(1)改正審査基準では、日本意匠法と同様に、画像がスクリーンやディスプレイ等の表示装置に表示されることが要件とされず、例えば、「コンピュータープログラム製品の画像(又はGUI)」というような名称とすることが可能となります。
(2)改正審査基準では、日本意匠法と同様に、画像が表示されるスクリーンやディスプレイ等の機器を破線で描く必要はなく、画像のみを図面に表して出願することができます。
この度の台湾の基準改正は、一部ではありますが、2019年5月に施行された日本の改正意匠審査基準及び今年4月1日より改正法が施行された日本意匠法に沿った内容となっております。ただし、3.意匠の分割要件については、日本の意匠法よりもさらに緩和された内容となっていますので、今後の貴社の台湾意匠出願戦略にメリットがあると思われます。
詳細は、經濟部智慧財産局の下記アドレスの情報をご参照ください。
https://www.tipo.gov.tw/tw/cp-87-882574-035da-1.html
(現時点では、台湾中国語のみです。)
- 本欄の担当
- 所長・弁理士 伊東忠重
弁理士 茂野瞳