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中国のハーグ協定加入後の関係業務の処理に関する暫定規則

2022年4月22日に中国国家知識産権局(CNIPA)は、『ハーグ協定加入後の関係業務の処理に関する暫定規則』を公布しました。

 当該暫定規則は、中国のハーグ協定への加入の発効と同時(2022年5月5日)に施行されています。

 その内容は以下の通りです。

 

『ハーグ協定加入後の関係業務の処理に関する暫定規則』

 

第1条 2022年5月5日から、中国の団体又は個人は、特許法第19条第2項の規定により『工業品意匠の国際登録に関するハーグ協定』(1999年版)(以下『ハーグ協定』という。)に基づき、工業品意匠の国際登録出願をすることができる。

 

 出願人は、直接に世界知的所有権機関の国際事務局(以下「国際事務局」という。)に対し工業品意匠の国際登録出願を提出することができ、国家知識産権局を通じて英語を使用してする工業品意匠の国際登録出願を送付することもできる。

 

 国家知識産権局を通じて工業品意匠の国際登録出願を送付するときは、『ハーグ協定』及び国家知識産権局で定めるところに適合する紙形式又は電子形式により関係資料を提出しなければならない。

 

 『ハーグ協定』で定める関係手数料は、出願人が直接に国際事務局に対し納付するものとする。

 

第2条 中国を指定する工業品意匠の国際登録出願(以下「国際意匠出願」という。)については、国家知識産権局は、特許法第19条第3項、改正後の特許法実施細則及び特許審査指南に従って処理する。

 

第3条 出願人は、優先権を主張する場合において、国際意匠出願をする際に先の出願に係る出願書類の謄本を提出しなかったときは、その出願の国際公表の日から3ヵ月以内に国家知識産権局に対し先の出願に係る出願書類の謄本を提出しなければならない。

 

 先の出願に係る出願書類の謄本に記載された出願人と後の出願人とが一致していないときは、出願人は、その出願の国際公表の日から3ヵ月以内に国家知識産権局に対し関連のある証明書類を提出しなければならない。

 

 出願人は、優先権を主張する場合、その出願の国際公表の日から3ヵ月以内に国家知識産権局に対し優先権主張料を納付しなければならず、その国際公表日が改正後の特許法実施細則の施行日の前(当日を含む。)であるときは、改正後の特許法実施細則の施行日から3ヵ月以内に優先権主張料を納付しなければならない。

 

 出願人が、期間が満了しても先の出願に係る出願書類の謄本を提出しなかったか、又は関連証明書類を提出しなかったか、又は優先権主張料を納付しなかったか若しくは納付額に不足があったときは、優先権の主張がなかったものとみなす。

 

第4条 国際意匠出願の出願人は、その出願の国際公表の日から2ヵ月以内に国家知識産権局に対し分割出願をすることができ、国家知識産権局は、特許法及び同法実施細則、特許審査指南の関係規定に従って処理する。

 

第5条 出願人は、国際意匠出願に係る意匠に特許法第24条第2号又は第3号に掲げる事由があるときは、国際意匠出願をする際に申立てをし、かつ、その出願の国際公表の日から2ヵ月以内に国家知識産権局に対し関連証明書類を提出して、説明をしなければならない。申立てをしなかったか、又は証明書類を提出しなかったとき、その出願については、特許法第24条の規定は、適用しない。

 

第6条 出願人は、国際意匠出願に関連する手数料を納付するときは、国際事務局及び国家知識産権局の定めるところにより十分な額を納付しなければならない。国際意匠出願の個別指定料の納付基準及び軽減規則は、別に公告する。

 

第7条 国際意匠出願の出願人又は特許権者は、権利の変更を請求する場合、国際事務局に対し関係手続をするほか、さらに、国家知識産権局に対し証明書類を提出しなければならない。証明書類が外国語のものであるときは、中国語による書誌の訳文も同時に添付しなければならない。証明書類を提出しなかったか、又は証明書類が十分なものでなかったときは、国家知識産権局は、当該権利の変更が中国において効力を生じなかった旨を国際事務局に通報する。

 

第8条 国際意匠出願の出願人は、この規則に定める以外のその他の法律上の手続及び事務を行うときは、『ハーグ協定』、特許法及び同法実施細則、特許審査指南の定めるところにより請求をしなければならない。

 

第9条 この規則は、2022年5月5日から施行する。

 

 なお、『ハーグ協定加入後の関係業務の処理に関する暫定規則』の詳細(中国語)は、

https://www.cnipa.gov.cn/art/2022/4/25/art_74_175158.html

にて入手することができます。

本欄の担当
伊東国際特許事務所
所長・弁理士 伊東 忠重
担当:意匠部部長・弁理士 木村 恭子
   中国弁理士 張 小珣
翻訳:中国チーム 畠山 敏光
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