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外国の判決・IP情報速報

各国制度情報 2024年4月

インド、ブラジルの法制度に動きがございましたので、その主な内容についてご案内申し上げます。

 

1.インド:特許法規則(改正) 施行

(1) 2023823日に公表された特許法規則改正案ですが、意見公募を経て、2024315日付けで特許法規則(改正)が施行されております。

 

項目

現制度

改正後

外国出願情報開示義務

Section8(1)(2)

Section8(1)

・インド出願から6か月以内

・対応外国出願から6か月以内

Section8(2)

・審査官の求めから6か月以内

Section8(1)

・インド出願から6か月以内

最初のインドOA発送日から3か月以内1

Section8(2)

・審査官の求めから2か月以内

分割出願

・親出願のクレーム記載事項から分割出願

・分割出願からの分割出願は認められるが、判例解釈によるものだった

仮出願の明細書記載事項からの分割出願も可

分割出願からの分割出願が認められる旨、成文化された

審査請求期限

優先日から48か月以内

優先日から31か月以内(2

年金納付(減額)

なし

・登録後、2年分以上の年金をまとめて納付可能

・登録後、4年分以上を一括前倒し納付すると庁費用が10%減額される(3

実施報告義務

Statement of Working

特許付与された次の会計年度から毎年度提出

提出頻度が3会計年度に1へ(4

延長申請

Rule 138)(6

以下の手続きは除外(主要な手続きのみ掲載)

・国内移行(優先日から31か月)

・審査請求(優先日から48か月)

・年金納付(6か月の追納期間はあり)

・これまで除外されていた国内移行/審査請求/年金納付(追納期間経過後)等も対象となる(5

・庁期限後であっても最大6か月の延長期間内に申請すればよい

 

1

改正案では「2か月」以内。公募により寄せられた意見を鑑みて変更された。

 

2

2024315日より前にインド出願された案件の審査請求期限は従来の「48か月」が適用される。

 

3:年金納付(減額)の例

・納付期限の1年以上前に、まとめて納付することが可能。

・登録時の累積年金は、庁費用減額の対象外。

 

(例①)

・登録時:第3年度~第6年度の累積年金を2024年に納付

・登録後:第7年度(納付期限:2025年)と第8年度を2024年に前納することが可能(しかし庁費用は減額されない)

 

(例②)

・登録時:第3年度~第6年度の累積年金を2024年に納付

・登録後:第7年度(納付期限:2025年)~第10年度の4年分を、2024年に一括前倒し納付することで、第7年度~第10年度につき庁費用10%の減額あり

(注意)例②において、現在特許庁では、登録直後の年度(例②でいう第7年度)は「current annuity=今年度分(in advanceとみなさない)」として減額対象から外すことを検討しているようです。その場合、例②ですと、

・第7年度~11年度2024年に一括前倒し納付した場合、

・第7年度は減額されないが、第8年度~第11年度の4年分は減額される

となります。この点、現地代理人が特許庁に説明を求めているとのことで、最新情報が入り次第ご報告させて頂きます。

 

4:実施報告義務

例:2024320日に登録になった場合、初回の実施報告義務提出期限は

2028930日。

 

5:延長申請の方法(例)

・審査請求期限=2024105

2024121日に審査請求

 改正規則下においては、2か月延長とみなされ、所定の庁費用を納付(INR 50,000/延長1か月)

INR 50,000=約90,000

 

6Rule137Rule138

従来、Rule138で延長申請が認められる手続きに制限があったため、それをカバーするためにRule137による請願手続き(遅延を容認する旨の申請)が用意されていました。規則改正によりRule138で延長申請が認められる手続きが拡大したため、Rule137による請願手続きが制限されています。

(国内移行、審査請求、年金納付等、Rule138で延長申請が認められる手続きは、Rule137による手続き対象から外されました)

 

(2) Form1(発明者様による譲渡証)に、発明者様の「性別」「年齢」欄が追加されております。これらは任意記載項目ですので、弊所から発明者様の「性別」「年齢」をお伺いすることは致しませんが、記載を希望される場合は新規出願ご依頼時にお申し付けください。

 

 

2.ブラジル:審判段階における補正の制限

従来、審判請求とともに補正書の提出が可能でしたが、昨年12月発表の制度変更により、審判請求時/審判段階での補正書提出は不可とされました(審判官は、第一審で提出された補正書等を参照し、第一審審査官の判断の是非を審査するのみ)。

 

この制度変更は、ブラジルの弁護士・弁理士から大きな反感を買い、ブラジルの知的財産協会とブラジル特許庁とで議論がなされてきました。

 

上記議論を踏まえて、2024319日付けで、新たなガイドラインが公表されました。

 

(昨年12月発表制度変更)

・審判請求時/審判段階での補正書提出は不可。

・審判官は、第一審で提出された補正書等を参照し、第一審審査官の判断の是非を審査するのみ。

202442日以降に審判請求:新制度適用。

202442日より前に審判請求(審判係属):新制度適用。既に審判請求した出願および今後審判請求する出願において補正書が提出されている場合、自発的にまたは庁指令に応答して、自発補正を取り下げると共に審判理由説明書を修正する必要がある。

 

319日付け発表新ガイドライン)

・審判請求時/審判段階での補正書提出をとする。

・ただし、以下の要件を全て満たす場合にのみ、補正書は受理される。

 ①補正内容と審査段階の拒絶理由とに因果関係があること

 ②審査段階による補正で放棄された主題を再び導入しないこと

 ③拒絶されたクレームの範囲自体に基づいていること(明細書に基づいていないこと)

・審判係属中の案件で提出された補正書のうち、上記要件を満たさないものに対してはオフィスアクションが発行される(応答期間60日)。

 

依然としてブラジルの弁護士・弁理士からの反感は強く、今後もさらなる動きが生じる可能性がございます。引き続き、今後の動向を注視して参ります。

本欄の担当
伊東国際特許事務所
所長 弁理士 伊東 忠重
副所長 弁理士 吉田 千秋
担当:弁理士 野崎 圭子

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