最新IP情報
米国特許商標庁(USPTO)による審査官の採用募集再開について
2025年6月13日、米国特許商標庁(USPTO)は、さまざまな技術分野にわたる審査官の新たな採用募集を公開しました。これは、2025年1月20日にトランプ大統領が署名した、連邦政府職員の採用を凍結する大統領令に基づいてUSPTOが実施していた採用凍結の終了を意味します。採用凍結は少なくとも7月15日までは継続するとされていますが、USPTOは特定の条件下で採用を再開するための免除措置を得ることに成功したと報じられています[1]。ここで注目すべきは、今回の募集が労働組合の交渉単位に含まれない職種に限定されており(つまり、労働組合によって守られる労働条件(例:在宅勤務の権利)などが適用されない)、バージニア州アレクサンドリアにあるUSPTO本部での出社勤務が必須とされている点です。
USPTOは採用予定の審査官数を明らかにしていませんが、今回の採用再開によって、審査待ちの特許出願のバックログ解消というUSPTOの目標が一層促進されることが期待されています。2025年4月時点で、審査未了の出願件数は826,974件に上り、出願から第一回オフィスアクションまでの平均期間は23.2か月となっています[2]。
[1] https://ipwatchdog.com/2025/06/13/uspto-hiring-freeze-ends-patent-examiners-wanted/
- 本欄の担当
- 弁理士法人ITОH
所長 弁理士 伊東 忠重
副所長 弁理士 吉田 千秋
担当: 弊所米国オフィスIPUSA PLLC
米国特許弁護士 ハーマン パリス
米国特許弁護士 有馬 佑輔