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韓国特許審査基準等の一部改定について
韓国の特許・実用新案審査基準や特許料等の徴収規則等が2015年1月1日付(一部除き)にて一部改定されました。その概要は以下の通りです。
1.補正案レビュー制度の導入
改定特許・実用新案審査基準では、拒絶理由に対する補正書の提出前に、補正案を審査官にレビューしてもらえる制度が導入されました(2015年1月1日より施行)。
補正案レビューは従来においても審査官面接により可能でありましたが、今回改定によりその要件や手続きが明確に定められることになりました。
その主な適用要件としては、①意見書提出期限の満了日より1ヶ月前までに申請すること、②該申請と同時に又はその前に、補正書案又は補正案の記載された意見書案を提出すること、③面接希望日として、レビュー申請日より2週~3週の期間のうち、3つの日を選択して記載することが挙げられます。
本制度における手続上の流れを図解として整理しますと、以下の様になります。
2.一括審査制度の導入
改定特許・実用新案審査基準(意匠や商標も同様)では、複数の出願に対し、出願人の希望のタイミングにて一括で審査してもらえる一括審査制度が導入されました(2015年1月1日より施行)。
その主な適用要件としては、①1つの製品に関する複数の出願であること、②出願人が実施中または実施準備中であること、③審査が着手される前に申請することが挙げられます。
本制度によりますと、審査着手希望日や審査終結希望日を指定したうえ、一括審査を申請することになり、出願人の事業戦略に応じて、例えば、新製品の発売時期に合わせて関連技術を一気に権利化することができます。
3.外国語出願制度の導入等に伴う出願料等の定め
既にご案内申し上げましたように、2015年1月1日より、①外国語(現時点では英語のみ)出願が可能になり、②国際出願の移行時に生じた誤訳の訂正が可能になり、③国際出願移行時の翻訳文の提出に1ヶ月の猶予期間が与えられることになりました。
上記法改正に伴い、外国語出願の出願料、誤訳訂正料、翻訳文提出期限の延長料が次のように定まりました(2015年1月1日より施行)。
4.特許料・実用新案登録料(登録料/3年分年金)の払戻し
4.特許料・実用新案登録料(登録料/3年分年金)の払戻し
特許査定等の後に特許料等を納付した場合であっても、設定登録される前であれば、申請により、既に納付された特許料等の払い戻しが可能になりました(2015年1月6日より施行)。
これにより、金銭的な損害を受けず、特許等の登録意思を撤回することができるようになりました。
なお、上記の韓国語での情報は、
及び
にて入手することができます。
以上
- 本欄の担当
- 副所長 弁理士 吉田 千秋
韓国弁理士 柳光煕(ユ・ガンヒ)