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中国特許出願の優先審査に関する新たな規定

 去る6月21日、中国国家知識産権局(以下、「SIPO」と称する)が「発明専利出願優先審査管理弁法」(以下、「弁法」と略称する)を公表し、2012年8月1日より施行されることとなりました。

 その概要は以下の通りです。

1.適用要件

(a) 当該出願は、特許(発明専利)である(第4条柱書)。
(b) 当該出願は、(イ)省エネ或いは環境保護、次世代情報技術、バイオ、先端装備製造、新エネルギー、新材料、新エネルギー車などの技術分野における重要な特許出願、(ロ)低炭素技術、資源節約など環境にやさしい「グリーン発展」に寄与する重要技術の特許出願、(ハ)同じテーマに関して外国にも出願しているものの初めての中国への出願、又は(二)その他優先的に審査を行う必要がある出願である(第4条の第1~4号)。
(c) 当該出願は、電子出願である(第6条第1項)。
(d) 当該出願は、実体審査段階にまだ入っていない場合は、出願人は実体審査を請求すべきである(第6条第2項)。

2.提出書類

(a) 地方知識産権局により承認された「発明専利出願優先審査請求書」(第7条第1号)
(b) 特許調査条件(第8条)を満たす機関により発行された調査報告、又は外国の審査機関により発行された調査報告、審査結果及びそれらの中国語訳文(第7条第2号)

3.効果

(a) SIPOは、優先審査請求が認められた特許出願に対して、請求が認められた日から1年以内に、最終処分すべきである(第3条)。
通常の審査について、特許出願の実体審査期間(実体審査段階に入ってから最終処分までの期間)は24.2ヶ月である(SIPOの2010年度年報より)。
(b) SIPOは、上記請求が認められた日から30日以内に、第1回拒絶理由通知書を発行すべきである(第10条)。
(c) 出願人は、拒絶理由通知書を受領してから2ヶ月以内に応答しなければならない(通常の審査について、第1回OAへの応答期間は4ヶ月であり、第2回以降のOAへの応答期間は2ヶ月である)。出願人が応答期間を延長した場合は、SIPOは優先審査の手続を停止し、通常の申請として処理する(第11条)。

4.留意点

(a) これまでにも中国には早期審査制度がありましたが、地方知識産権局に申請する必要があり、且つ各地方知識産権局は早期審査請求の受理数に上限を設けているので、早期審査制度を利用するのは難しいという面がありました。
今回の「弁法」でも、優先審査請求には地方知識産権局の承認が必要であり、承認の基準や、受理数に上限があるか否かについて懸念があります。
(b) 「弁法」第5条によりますと、「優先審査の受理件数は、SIPOが各技術分野(部門)の審査能力、前年度の特許査定数及び本年度の審査待ち数に基づいて決定する」とのことで、優先審査を請求しても受理されない場合があると思われます。

以上

本欄の担当
中国弁理士 張 小珣

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