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外国の判決・IP情報速報

リーヒ・スミス米国発明法改正(Leahy-Smith America Invents Act)に伴う発明者の宣誓書又は宣言書に関する 最終施行規則及びアプリケーションデータシートに関する最終施行規則(2012年8月14日公表)

リンク先:http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/FR-2012-08-14/html/2012-17907.htm

 米国特許商標庁(以下、USPTO)は、米国発明法(AIA)の発明者の宣誓書又は宣言書の規定の改正に伴って施行規則を改正しています。AIAは、発明者が本発明を譲渡した者、譲渡する義務がある者、又は本発明に関する十分な所有権を示す者に対して特許を出願することを許可しています。また、AIAは、発明者の宣誓書又は宣言書の要件を簡素化しており、特定の状況下においては、宣誓書又は宣言書に対する代替陳述書の提出を許可しています。USPTOは、再発行特許の宣誓書又は宣言書や発明者以外の者によって署名された代替陳述書についての規則を含む、発明者の宣誓書又は宣言書に関する施行規則を改正しており、更に、宣誓書又は宣言書を含む譲渡証の使用を可能にしています。さらに、USPTOは、出願人が、特許出願が許可状態となるまで発明者の宣誓書又は宣言書の提出を延期することができるように、発明者の宣誓書又は宣言書に関する施行規則を改正しています。さらに、USPTOは、特許出願処理をさらに容易にするために、譲受人による出願手続き及び委任状に関する施行規則を改正及び明確化しています。

 施行期日:この最終規則の改正は、2012年9月16日に施行されます。

概要

宣誓書又は宣言書

 規則1.63:規則1.63(a)は、規則1.64で別段に定める場合を除き、発明者(又は請求された発明の共同発明者である各個人)が、特許出願において直接宣誓又は宣言しなければならないことを規定しています。
 規則1.63(a)はさらに、宣誓書又は宣言書に関して以下のように規定しています。

(1)宣誓書又は宣言書に署名する発明者又は共同発明者は、法的に正式な氏名によって特定されること。
(2)宣誓又は宣言を行う出願対象を特定すること。
(3) 宣誓書又は宣言書に署名する者による陳述であって、記名された発明者又は共同発明者が、宣誓書又は宣言書が提出された出願における請求された発明の原発明者又は原共同発明者であることを信じている旨の陳述を含むこと。
(4)上記出願が、宣誓書又は宣言書に署名した者によってなされたか、又は宣誓書又は宣言書に署名した者から権限を与えられた者によってなされたことを陳述すること。

 規則1.63(a)(3)では、特許法第115条の法改正によって各発明者の国籍を明記する必要がなくなったため、宣誓書又は宣言書に発明者の国籍を記す要件が削除されています。

 特許法115(d)(1)は、特許庁長官が規則によって特定する追加の状況下においては、特許法115(a)で定める発明者によって提出される宣誓書又は宣言書の代わりに特許出願人が代替陳述書を提出できることを規定しています。これを受け、本最終施行規則により、USPTOは、発明者が宣誓書又は宣言書への署名を拒絶した場合等には、本発明を譲渡する義務が発明者にない場合であっても、出願人が宣誓書又は宣言書の代わりに代替陳述書を提出できることを許可しています。
 即ち、規則1.64(a)は、発明者が死亡した場合、発明者が法的無能力である場合、発明者が規則1.63で定める宣誓又は宣言を拒絶した場合、又は入念な捜索にもかかわらず発明者が所在不明であるか連絡が取れない場合に、規則1.43(法定代理人)、1.45(共同発明者)、1.46(譲受人等)で定める出願人が、規則1.63で定める宣誓又は宣言の代わりに代替陳述に署名することが可能であることを規定しています。
 具体的には、発明者又は共同発明者が特許出願への参加を拒絶した場合、譲渡義務の有無に関わらず、本発明に関する十分な所有権を示す者が、発明者又は共同発明者によってなされるべき宣誓又は宣言の代わりに代替陳述書に署名することができます。また、共同発明者が特許出願への参加を拒絶した場合、譲渡義務の有無に関わらず、他の共同発明者が、上記共同発明者によってなされるべき宣誓又は宣言の代わりに代替陳述書に署名することができます。

 規則1.64(b)は、規則1.64における代替陳述書に関して以下のように規定しています。

(1)宣誓書又は宣言書の代わりとなる代替陳述書が対象とする発明者又は共同発明者を特定し、当該発明者が陳述を要求される事実を情報及び信念に基づき陳述することにより規則1.63(a)の要件を遵守すること。
(2) 代替陳述を行う者、及びその代替陳述を行う者と代替陳述書が対象とする発明者又は共同発明者との関係を特定し、代替陳述を行う者の居所及び郵便宛先を陳述すること。ただし、当該情報が規則1.76(出願データシート)に従う出願データシートにて提供されている場合は除く。
(3) 規則1.63に基づく宣誓書又は宣言書の代わりとなる代替陳述が許可される状況を特定すること。すなわち、発明者が死亡した場合、発明者が法的無能力である場合、発明者が規則1.63で定める宣誓又は宣言を拒絶した場合、又は入念な捜索にもかかわらず発明者が所在不明であるか連絡が取れない場合、の何れかを特定すること。

 規則1.53(f)は、特許出願の欠落部分(missing parts)に関する実務を改正しています。これにより、所定のアプリケーションデータシートが出願に含まれている場合には、特許出願が許可状態となるまで出願人が発明者の宣誓書又は宣言書の提出を延期できるようになりました。

委任状

 規則1.32:改正された規則1.32(a)(2)によれば、「委任状」という用語は、「本人」の承認により1人以上の特許有資格者又は共同発明者を代理人とする旨を記した文書を意味します。
 改正された規則1.32(a)(3)によれば、上記「本人」という用語が、補充審査又は再審査手続き中の特許を含む特許の出願人(規則1.42)及び特許権者を意味し、1人以上の特許有資格者又は共同発明者を指名して代理人とする委任状には当該本人が署名することが規定されています。

 規則1.42:規則1.42は、特許出願人の定義について規定しています。
 規則1.42(a)によれば、「出願人」という用語は、発明者又は共同発明者全員、若しくは規則1.43、1.45、1.46で定める特許を出願する者を示します。
 規則1.42(a)によれば、規則1.46に基づいて特許を出願する場合、「出願人」という用語は、譲受人、発明者が本発明を譲渡する義務がある者、又は本発明に関する十分な所有権を示す者であって、規則1.46に基づいて特許を出願中である当該発明者ではない者を示します。

アプリケーションデータシート

 最終施行規則では、アプリケーションデータシートがこれまで以上に重要な役割を与えられています。以下に、アプリケーションデータシートのプラクティスに関する主な施行規則改正部分を列挙いたします。

規則1.41(b)
発明者の宣誓書又は宣言書よりも前又は同時に提出されたアプリケーションデータシートに記載された発明者又は共同発明者が、当該出願の発明者となる。

規則1.46(b)
発明者以外の者により出願がされる場合、譲受人、発明者が本発明を譲渡する義務がある者、又は本発明に関する十分な所有権を示す者を記載したアプリケーションデータシートを出願に含めなければならない。

規則1.55(1)(i)
外国優先権(foreign priority)の主張は、アプリケーションデータシートに記載されなければならない。

規則1.63(f)(3)(i)
宣誓書又は宣言書の提出を特許出願が許可状態となるまで延期するためには、アプリケーションデータシートを含む出願でなければならない。

規則1.76(e)
アプリケーションデータシートは署名されなければならない。署名のないアプリケーションデータシートは単なるトランスミッタルレターとして扱われる。

規則1.78(a)(2)(ⅲ)&(5)(ⅲ)
リファレンス(先の出願の利益を享受する場合に後の出願に含めるクロスリファレンス)は、アプリケーションデータシートに記載されなければならない。

以上

本欄の担当
副所長・弁理士 吉田 千秋
米国オフィスIPUSA PLLC パテントエージェント 有馬 佑輔
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