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マドプロ:英国王室属領ジャージー(Jersey)が独立した指定地域に(2026年8月1日より)
WIPO(世界知的所有権機関)は、2026年8月1日より、英国王室属領ジャージー(Bailiwick of Jersey)がマドリッド制度(マドプロ)における独立した指定地域となることを発表しました。
これまで、マドプロによる国際商標出願又は事後指定において英国(UK)を指定すると、その保護は自動的にジャージーにも及んでいました。
しかし、2026年8月1日以降は、英国とジャージーが別個の指定地域として取り扱われます。
1.2026年8月1日以降の新規出願・事後指定
2026年8月1日以降、英国を指定するだけではジャージーは保護されません。
ジャージーでの商標保護を希望する場合には、国際商標出願又は事後指定において、ジャージーを英国とは別に指定する必要があります。
ジャージーの指定には個別手数料が適用されます。
また、ジャージーを指定する際には、指定商品・役務について商標を使用する意思、または権利者の同意のもとで使用させる意思がある旨の宣言が必要となります。
この宣言はWIPOの関連する公式様式に組み込まれます。
2.既存の英国指定を含む国際登録の取扱い
2026年8月1日より前に英国指定が記録されている国際登録については、その英国における保護状況に応じて、次のように取り扱われます。
① 2026年8月1日時点で英国において保護されている場合
権利者による手続は不要です。
WIPOが当該国際登録についてジャージー指定を自動的に記録し、その後、英国指定とジャージー指定はそれぞれ独立して取り扱われます。
この自動的な記録について、WIPOは個別手数料の対象として掲げておらず、権利者側で新たな指定手続を行う必要もありません。
② 2026年8月1日時点で英国の拒絶通報期間が満了していない場合
英国において保護認容声明(statement of grant of protection)または全部若しくは一部について保護を認める最終決定が発行された後に、WIPOがジャージー指定を記録します。
③ 英国において拒絶又は無効となっている場合
ジャージー指定は記録されません。
3.今後の更新について
自動的にジャージー指定が記録された既存の国際登録についても、その後は英国指定とジャージー指定が独立して管理されます。
このため、国際登録の次回更新時にジャージーでの保護を維持する場合には、ジャージーについても更新対象として指定し、ジャージーの個別手数料を支払う必要があります。
したがって、従来は英国指定のみを管理していた国際登録についても、今後はジャージー指定の有無を含めた更新管理が必要となります。
4.実務上のポイント
2026年8月1日以降に新たにマドプロ出願又は事後指定を行う場合、英国とジャージーの双方で保護を希望するときは、英国とジャージーをそれぞれ指定する必要があります。
一方、2026年8月1日より前に英国指定が記録され、同日時点で英国において保護されている既存の国際登録については、
原則として権利者側での手続を要することなくジャージー指定が自動的に記録されます。
今後、英国及びジャージーにおける商標ポートフォリオをご検討の際には、この点をご留意頂けますと幸いです。
- 本欄の担当
- 弁理士法人ITOH
所長・弁理士 伊東 忠重
商標部・弁理士 東 泰成
担当・弁理士 野崎 圭子